Figma MCPサーバーをCursorで使い倒す 環境構築から動作確認まで 仕事が速くなる現場目線ガイド

Figmaのカンプを見ながらCursorで実装していると、たまに発生します。確認したい情報が多すぎて、目が泳ぐ瞬間。

この余白は何pxでしたっけ。角丸は。色は。フォントサイズは。行間は。コンポーネントのバリエーションは。あれ、同じボタンが3種類あるぞ。誰だ増やしたの。

ここで一つ、止めたい作業があります。いわゆる目コピと手拾いです。頑張ればできる。けれど、頑張らない方が成果が出るタイプの作業でもある。

そこで登場するのがMCPです。Model Context Protocol。ざっくり言えば、エディタやAIが外部の情報源と会話するための共通の口。

そしてFigmaには、MCPサーバーという形でデザイン情報を取り出せる仕組みが用意されました。Cursor側からFigmaに話しかけ、必要な情報を取って、実装の近道を作れます。

この記事は「Figma MCPサーバーをCursorで動かす」までを、現場の手順としてまとめます。環境構築から動作確認、つまずきポイント、運用のコツまで。読み物としても退屈しないように、少しだけ毒も入れます。

  1. まず 何を止めるのか 目コピと手拾いの話
  2. MCPとFigma MCPサーバーをざっくり理解する
  3. できることのイメージ 何が嬉しいのか
  4. 準備するもの ここで詰まる人が多い
  5. セットアップの全体像 ローカル版とリモート版
  6. 手順1 Figma側でMCPの入口を確認する
  7. 手順2 Cursor側でMCPサーバーを追加する
    1. 方式A ローカル(stdio)で繋ぐ
    2. 方式B リモート(HTTP)で繋ぐ
  8. 動作確認 ここまで来たら勝ち
  9. よくある詰まりポイントと直し方
    1. 1 権限が足りない 問い合わせても自分は見える
    2. 2 サーバーが起動していない そもそも居ない
    3. 3 Cursorにツールが出ない MCPの設定が反映されていない
  10. 現場での使い方 ただ繋いだだけでは速くならない
    1. 型1 まずは要素情報を一括で出させる
    2. 型2 取得結果をトークン化してCSS変数に落とす
    3. 型3 デザイン差分を炙り出す
  11. メリット 速度だけではない
  12. デメリット いい道具ほど使い方で痛い目を見る
  13. 学習者向け これを機に伸びるポイント
  14. 実務者向け チーム運用でのコツ
    1. 1 まずは一人で成功体験を作る
    2. 2 コマンド例をテンプレ化する
    3. 3 リモート化するなら認証とログ設計を先に考える
  15. 動作確認のチェックシート これで迷子になりにくい
  16. この話題で読者に役立つおまけ 実装が速くなる小技
    1. 1 デザイン値をそのまま使わない まずスケールに寄せる
    2. 2 ボタンとフォームだけでもトークンを作る
    3. 3 レビュー観点を固定する
  17. 最後に 使いどころの見極め

まず 何を止めるのか 目コピと手拾いの話

止めたいのは、努力ではありません。摩耗です。

Figmaを開いて、Dev Modeで数値を見て、メモして、Cursorに戻って、CSSを書いて、ブラウザで確認して、違っていて、またFigmaへ。これを1日50回やると、脳のCPUが熱暴走します。

人間が弱いのは集中力ではなく、コンテキストスイッチです。タブ移動は意外とHPを削る。しかも削られていることに気づきにくい。怖い。

このタブ移動と手拾いを減らせるのがMCPの気持ちよさです。必要な時に必要な情報が、会話として返ってくる。実装の流れを止めない。

あなたは普段、Figmaを見て「このコンポーネント、何で出来てるか」を推理していませんか。推理の時間、嫌いじゃないけれど、納期が推理小説の読者でいてくれないのが問題です。

MCPとFigma MCPサーバーをざっくり理解する

MCPは、AIやエディタが外部のツールやデータにアクセスするための共通プロトコルです。ホスト側(今回はCursor)がクライアントとしてMCPサーバーに接続し、サーバーが情報取得や操作を担当します。

Figma MCPサーバーは、Figmaのファイルや選択中の要素などの情報を、Cursorから取得できるようにする橋渡しです。デザインの数値、コンポーネント構造、スタイルの参照。こういう「実装に欲しいやつ」を会話で引き出せる。

ポイントは、あなたの作業の中心がCursorに寄ること。Figmaが脇役になります。これは地味に効きます。

できることのイメージ 何が嬉しいのか

例を出します。たとえば、ボタンの実装をしている時。

  • ボタンの角丸、余白、フォントサイズ、行間、色をまとめて取得する
  • ホバー、フォーカス、disabledの差分を確認する
  • 同じ見た目なのに別スタイルが混ざっていないか炙り出す
  • コンポーネントのバリアント名や使い分け意図を拾う
  • デザインシステムのトークンっぽいものを見つけてCSS変数化する

実装者が欲しいのは、華やかな文章ではなく、正確な数値と一貫性です。だけど人間の目は、ときどきウソをつく。MCPはそこを殴ってくれます。やさしく。

準備するもの ここで詰まる人が多い

環境構築で必要なものを先に並べます。途中で探すとテンポが死ぬので。

  • Cursor(最新版推奨)
  • Node.js(ローカルサーバーを使う場合。LTS推奨)
  • Figmaアカウント
  • Figmaファイルへのアクセス権(閲覧だけでは足りない場合があります)
  • Figma Dev Modeを使える状態(組織やプランにより異なります)

Figma側の権限まわりが一番の地雷です。自分は見えているのに、AIには見えない。こういうことが起きます。権限は人間にも機械にも優しくない。

セットアップの全体像 ローカル版とリモート版

Figma MCPサーバーには、大きく2つの運用があります。

  • ローカルで動かす(Desktop Serverのイメージ。自分のPC内で完結)
  • リモートで動かす(Remote Server。ネットワーク越しに接続)

最初はローカルが楽です。セキュリティ的にも扱いやすい。チームで共有したい、CIっぽく使いたい、権限管理を中央集権にしたい。そうなったらリモートを検討するとよい。

手順1 Figma側でMCPの入口を確認する

まずFigmaの公式ドキュメントで、MCPサーバーの導入ページを確認します。FigmaはDev Modeを軸にMCP連携を案内しており、Cursor向けの導線も用意されています。

ここでやることは2つ。

  • MCPサーバーの種類(ローカルかリモートか)を選ぶ
  • Cursorでの接続手順の流れを掴む

読み飛ばしても構いません。必要なところだけ拾えば十分です。ドキュメントは分厚い辞書、現場は単語帳。

手順2 Cursor側でMCPサーバーを追加する

CursorにはMCPサーバーを追加する仕組みがあります。基本は設定から「MCP Servers」を開き、追加します。

ここで大事なのは、どの方式で繋ぐか。

方式A ローカル(stdio)で繋ぐ

ローカルでMCPサーバーを起動し、Cursorがstdio経由で接続する形です。ネットワーク越しに出ないので、最初の一歩として安心感があります。

Figma側が提供しているローカルサーバーの実装がある場合は、それを使うのが早いです。自前実装も可能ですが、最初から沼に飛び込む必要はありません。

流れはこうです。

  1. Node.js環境を用意
  2. Figma MCPサーバーを取得(公式の案内に従う)
  3. ローカルでサーバーを起動
  4. CursorでstdioのMCPサーバーとして登録
  5. ツール一覧にFigma関連が出るか確認

方式B リモート(HTTP)で繋ぐ

リモートサーバーは、OAuthなどを絡めて安全に接続するのが基本です。Figmaのリモートサーバー案内では、Cursorの設定に追加するための導線もあります。

チームで共通のサーバーを使う場合、ここが本命になります。ログの集約もやりやすい。

動作確認 ここまで来たら勝ち

接続できたかどうかは、会話で確かめます。難しいテストは要りません。

まずはCursorのチャットで、こう聞きます。

  • 「FigmaのMCPツールが利用可能か教えて」
  • 「今開いているFigmaファイルから選択中の要素の情報を取得して」

もしFigma側の選択情報を拾えるなら、要素を選択した状態で聞くのが早いです。Figmaを開いて、対象のフレームやレイヤーをクリック。戻ってCursorで質問。これで返ってくればOK。

ここで返ってくる情報は、形式が多少荒くても構いません。目的は「繋がっている」ことの確認です。美しさは後回しでよい。

ところで、あなたは「繋がった瞬間」に変な達成感を感じるタイプですか。私は感じます。ケーブルを挿しただけで世界を救った気分になる。人間は単純。

よくある詰まりポイントと直し方

1 権限が足りない 問い合わせても自分は見える

人間のFigma閲覧権限と、MCP経由で取得できる権限が一致しないケースがあります。Figmaの組織設定やDev Modeの扱い、ファイルの共有範囲が絡む。

対策はシンプルです。

  • 対象ファイルに対して、必要な権限(閲覧だけで足りるか、編集が必要か)を再確認
  • Dev Modeの利用可否を確認
  • 会社アカウントと個人アカウントが混ざっていないか確認

アカウントの混在は本当に多い。ログインし直したら直るのに、半日悩むやつ。

2 サーバーが起動していない そもそも居ない

ローカルの場合、サーバーは常駐していないと接続できません。Cursor側の設定は正しいのに、プロセスが落ちている。ありがち。

  • ターミナルでサーバーが動いているか確認
  • ポートが被っていないか確認(リモート方式の場合)
  • NodeのバージョンをLTSに寄せる

3 Cursorにツールが出ない MCPの設定が反映されていない

設定ファイルの書き間違い、追加したつもりで保存していない、再起動していない。地味だけど多いです。

対策はチェックリスト化が一番。

  • MCPサーバーがEnabledになっているか
  • サーバーの種類(stdio/HTTP)が想定と一致しているか
  • Cursorを再起動しても表示されないか

現場での使い方 ただ繋いだだけでは速くならない

繋いだだけで速くなるなら、世の中の締切は消滅しています。実際は使い方の型が要る。

型1 まずは要素情報を一括で出させる

ボタン、カード、ナビ、フォーム。パーツ単位で「この要素のスタイルをまとめて出して」と頼みます。1項目ずつ聞くと、会話が長くなる。短距離走のはずがマラソンになる。

型2 取得結果をトークン化してCSS変数に落とす

Figmaの数値をそのままCSSに直貼りすると、後で泣きます。特に色と余白。

取れた値は、

  • CSSカスタムプロパティ
  • Sass変数
  • TailwindやUnoCSSのトークン

このどれかに寄せる。プロジェクトの流儀に合わせます。揃えるだけで保守性が跳ね上がる。

型3 デザイン差分を炙り出す

「同じに見えるのに違う」が最も厄介です。MCPで複数要素のスタイルを比較させると、違いが露骨に出ます。

たとえば、見た目が同じカードなのに、片方だけpaddingが14pxだった。こういうのを早い段階で潰せると、後工程の修正が減ります。QAが静かになる。夜も静か。

メリット 速度だけではない

  • 実装中にFigmaへ戻る回数が減る
  • 数値の取り違えが減る
  • デザインの揺れを早く見つけられる
  • 新人や学習者が「何を見ればいいか」を掴みやすい
  • レビュー時に根拠を示しやすい(この値はFigma由来)

地味に大きいのは、コミュニケーションです。デザイナーに聞く回数が減る、ではありません。聞く時の精度が上がる、です。

「ここ、なんか違います」より「このコンポーネントだけ角丸が8で、他は12です。意図ありますか」の方が、話が速い。現場は速さが正義のフリをしている会話ゲー。

デメリット いい道具ほど使い方で痛い目を見る

  • 権限やプラン、組織設定に左右される
  • 初期セットアップでつまずくと心が折れやすい
  • 取得できる情報がプロジェクトやファイル構造に依存する
  • サーバー運用(特にリモート)はセキュリティ設計が要る
  • AIの解釈が混ざるので、最終的な目視確認は残る

万能ではありません。目視確認が不要になる未来は、たぶん来ない。来たとしても、その時は別の仕事が増えています。人類は忙しいことが好き。

学習者向け これを機に伸びるポイント

MCPを触ると、学習者にとって嬉しい副作用があります。抽象化が見えてくる。

Figmaの値をただ写すのではなく、

  • なぜこの余白なのか
  • なぜこの行間なのか
  • どの単位で管理すべきか

こういう設計の視点が出やすい。実装は写経から設計へ進むと一気に楽しくなる。ここに到達したら勝ちです。勝ちと言っても給料は増えませんが、ストレスは減る。

実務者向け チーム運用でのコツ

1 まずは一人で成功体験を作る

いきなりチーム導入は燃えやすいです。まずは自分の作業で「確かに速い」を作る。小さい成功が正義。

2 コマンド例をテンプレ化する

Cursorのチャットで聞く内容をテンプレにします。

  • 「選択中の要素のCSSに必要な値を表で出して」
  • 「ホバーとフォーカスの差分も出して」
  • 「同種のコンポーネント3つを比較して」

このテンプレがあるだけで、導入が早い。属人化もしにくい。

3 リモート化するなら認証とログ設計を先に考える

リモートサーバーは便利なぶん、責任も増えます。OAuthの扱い、アクセス範囲、ログの保存。ここを適当にすると、後でセキュリティレビューに呼ばれます。呼ばれるだけならいい。長い。

動作確認のチェックシート これで迷子になりにくい

  • CursorにMCPサーバーが追加され、Enabledになっている
  • ローカルの場合、サーバープロセスが起動中
  • Figmaの対象ファイルにアクセスできるアカウントで認証できている
  • Figma側で要素を選択した状態で取得できる
  • CursorのチャットにFigma関連ツールが出る

ここまで揃えば、現場投入は十分可能です。

この話題で読者に役立つおまけ 実装が速くなる小技

1 デザイン値をそのまま使わない まずスケールに寄せる

余白を8, 12, 16, 24のスケールに寄せるだけで、CSSが読みやすくなります。Figmaの値が14なら、意図があるのか、ただのズレなのかを確認する。ズレが多いほど、あとで地獄を見る。

2 ボタンとフォームだけでもトークンを作る

全部トークン化は疲れます。最初はボタンとフォームから。ここは変更が頻繁で、影響範囲が大きい。

3 レビュー観点を固定する

レビューで見る項目を固定します。

  • 余白スケールに乗っているか
  • 色がトークン化されているか
  • フォーカススタイルがあるか
  • ホバー差分が過剰でないか

この観点をチームで共有すると、実装の揺れが減ります。レビューが速い。気持ちも速い。

最後に 使いどころの見極め

Figma MCPサーバーをCursorで使うと、デザインと実装の距離が縮まります。縮まるのは距離で、苦労がゼロになるわけではない。そこは誤解しない方がいい。

ただ、目コピと手拾いの往復を減らせるのは確かです。コンテキストスイッチが減ると、実装が止まりにくい。止まらない日は、仕事が楽に感じます。

今日から全部を変える必要はありません。まずは1コンポーネント。ボタンでもカードでもよい。繋げて、聞いて、値を取って、実装してみてください。そこで「おっ」となったら、もう戻れません。便利さには中毒性がある。

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