カンプに無くても「気が利くねえ」と言われる改善Tipsoptgroupで整理し、hrで区切る。だが注意点もある 2026実務版

Web技術

selectのデザイン、カンプに載っていないことが多いです。 理由は単純で、OSやブラウザが勝手に描画するので、作り込んでも再現出来ないから。 でも、だからといって「ただを並べるだけ」で終わるのは、ちょっと不親切です。 選択肢が増えるほど、ユーザーは探す作業を強いられます。しかもは地味に見つけにくい。

ここで一手間入れると、言われます。かなりの確率で言われます。 「お、気が利くねえ」。

結論:selectの親切は「整理」と「区切り」で作れる

の選択肢を見やすくする方法はいろいろありますが、まず覚えておきたいのはこの2つです。 optgroupでグループ化する(意味のある整理) hrで区切り線を入れる(視覚的な整理。ただし注意点あり) ポイントは「カンプに無いけど、使う人のためのひと手間」。 フロントエンドが評価されるのは、派手なアニメより、こういう地味な優しさだったりします。

なぜ止める必要があるのか:ただ並べるselectが生む3つの損

損1:探すストレスが増え、離脱の原因になる

選択肢が20個を超えると、ユーザーは「読む」より「探す」モードに入ります。 探すUIは、見つからないと一気に苛立ちます。 は検索窓も無いので、見つけにくさがダイレクトに体験を落とします。 損2:ミス選択が増え、フォームの手戻りが増える 項目が似ているほど誤選択が起きます。 例えば「東京都」「東京23区」「東京(離島)」のような近い言葉が並ぶと、ぱっと見で選び間違えます。 フォームのミスは、そのまま問い合わせ対応のコストになります。 損3:実装側も保守がつらい 後から選択肢が増えた時、ただの羅列だと「どこに挿すべきか」が曖昧です。 結果、順番が崩れ、さらに見つけにくくなります。 最初に整理の型を作っておくと、追加が楽になります。 つまり、止めるべきなのは「ただ並べるだけの運用」です。 そしてもう一つ。区切り線の入れ方も、雑にやると逆効果になります。そこも含めて解説します。

やり方1:optgroupでグループ化する(最優先の改善)

optgroupは、内のを意味のあるまとまりでグルーピングするためのHTML要素です。 見た目だけでなく、情報の構造を作れるのが強みです。 基本形:都道府県を地方で分ける <label for="pref">都道府県</label> <select id="pref" name="pref"> <option value="">選択してください</option> <optgroup label="北海道・東北"> <option value="hokkaido">北海道</option> <option value="aomori">青森県</option> <option value="iwate">岩手県</option> </optgroup> <optgroup label="関東"> <option value="tokyo">東京都</option> <option value="kanagawa">神奈川県</option> <option value="chiba">千葉県</option> </optgroup> <optgroup label="近畿"> <option value="osaka">大阪府</option> <option value="kyoto">京都府</option> <option value="hyogo">兵庫県</option> </optgroup> </select> これだけで「読む」負担が減り、「探す」精度が上がります。 カンプに無くても、フォームが多いサイトほど効きます。 実務Tips:optgroupのラベルは短く、意味を強く 短い方が一覧性が上がる(例:北海道・東北、関東、近畿) 迷いやすい境界は補足する(例:中部(北陸含む)など) 並びはユーザーが期待する順に(地理、五十音、利用頻度など) メリット 意味のある整理なので、初見でも探しやすい 追加や修正の場所が明確で保守が楽 HTMLとして正しい構造になりやすい デメリットと注意 ブラウザや支援技術によって、optgroupの読み上げや見せ方に差が出る場合がある グループを作りすぎると逆に迷う(5から8グループ程度が目安) とはいえ、基本はoptgroupが第一選択です。整理の王道です。 やり方2:hrで区切り線を入れる(便利だが扱いを間違えると損) 最近のHTML仕様とブラウザ対応の流れで、の子要素として


を置き、区切り線として表示出来るようになってきました。 ChromeやSafariの対応が進んだことで、使える場面が増えています。

ただし重要:hrは装飾として扱われやすい

内のは、視覚的には区切りに見えても、アクセシビリティツリーに露出しないケースがあり、支援技術に区切りとして伝わらない可能性があります。 つまり、hrだけで「意味のある整理」を担わせるのは危険です。 結論としてはこうです。 意味の整理はoptgroupでやる 視覚の補助としてhrを足す(出来る環境だけ) 例:optgroupに加えて、要所にhrを入れる <select id="store" name="store"> <option value="">店舗を選択</option> <optgroup label="都内"> <option value="shibuya">渋谷</option> <option value="shinjuku">新宿</option> </optgroup> <hr> <optgroup label="近郊"> <option value="yokohama">横浜</option> <option value="omiya">大宮</option> </optgroup> </select> この発想は「視覚の整理整頓」です。 ただし、繰り返しますが、意味の整理はoptgroupが本体です。 メリット パッと見で境界が分かり、探す速度が上がる optgroupだけより、視線誘導が強くなることがある デメリットと注意 ブラウザによって表示されない場合がある 支援技術には区切りとして伝わらない可能性がある 見た目のためだけに乱用すると、逆に情報が分断される 要するに、hrは「使えたらラッキーな見た目補助」くらいの位置付けがちょうどいいです。 現場で安全に使う:progressive enhancement(出来る環境だけ強化) hrが確実に表示されるとは限りません。 なので設計としては「hrが無くても成立する」構造を作り、表示出来る環境だけ見やすくするのが現実的です。 おすすめ構成 基本はoptgroupで整理 さらに視覚の境界が欲しい箇所だけhrを挿入 hrが表示されなくてもUXが壊れないようにする この方針なら、環境差があっても事故りにくいです。 それでも区切り線を確実に出したい場合の代替案 現場では「どうしても区切り線が必要」という要望が出ることがあります。 ただ、ネイティブの中はCSSで自由に描けません。 そこで代替案を知っておくと、提案の幅が広がります。

代替案1:disabledな区切りを入れる

昔からある手で、対応は広いです。 ただし、読み上げや操作体験としては賛否が出やすいので、採用するならラベルを工夫します。

<select id="job" name="job">
  <option value="">職種を選択</option>

  <optgroup label="開発">
    <option value="fe">フロントエンド</option>
    <option value="be">バックエンド</option>
  </optgroup>

  <option value="" disabled>──────────</option>

  <optgroup label="制作">
    <option value="designer">デザイナー</option>
    <option value="writer">ライター</option>
  </optgroup>
</select>

これはあくまで代替です。出来ればoptgroupが主役、区切りは補助の方が穏当です。

代替案2:選択肢が多いなら「検索出来るUI」へ

が50件、100件を超えるなら、整理より先にUI自体を変えた方がいいです。

  • autocomplete付きの検索(ライブラリやコンポーネント) モーダルで検索出来るピッカー カテゴリで一段階絞ってから選ばせる2段階select ネイティブの限界を超えるなら、素直に別UIを提案するのも「気が利く」側の仕事です。 実務での「気が利く」ポイント集(カンプに無いけど効く) 先頭は「選択してください」を入れる 初期値がいきなり有効選択肢だと、未選択なのに送信されることがあります。 必須項目なら特に「空の選択」を明示するのがおすすめです。 valueは表示名と分ける 表示名は変更されやすい。valueはシステム連携に使われる。 この2つを分けておくと、後からの変更に強いです。 並び順は「ユーザーの期待」に合わせる
    • 地域は地理順
    • 名前は五十音
    • 商品は人気順
    迷ったら、利用頻度が高い順に上へ。これはだいたい勝ちます。 optgroupのラベルは「短く強く」 長い説明を入れたくなる時ほど、ラベルは短く。 説明は別のヘルプテキストに逃がすと見やすいです。 メリットまとめ:optgroupと区切りがもたらす成果
    • 探す時間が減る(フォームの体感速度が上がる)
    • 誤選択が減る(問い合わせミスや手戻りが減る)
    • 追加や修正が楽(構造があるので保守しやすい)
    • 作り手の意図が伝わる(レビューが通りやすい)
    selectの改善は、劇的な派手さはありません。 でも、積み上がるとサイト全体の使いやすさを底上げします。 特にフォーム中心のサイトは、地味に効きます。 デメリットまとめ:やりすぎると逆効果
    • グループを作りすぎると、逆に迷子になる
    • hrは環境差があり、アクセシビリティ上は装飾扱いになりやすい
    • 区切りや整理に凝りすぎて、結局「検索出来ない問題」が残ることがある
    対策はシンプルです。 「まずoptgroupで意味を整える。区切りは補助。数が多いならUIを変える」。 この順番で考えると事故りません。 最後に:読者に有益な次の一手 1 アクセシビリティ観点で最低限チェックする
    • labelでを関連付ける 必須ならrequiredと併せて、未選択の キーボードだけで選択出来るか確認する 2 選択肢が多い時の判断基準を持つ
      • 20件まで:optgroupで整理すれば戦える
      • 50件以上:検索UIや段階選択を検討する
      • 100件以上:ネイティブ
      にこだわらない方が早い
    3 チームでテンプレを作る 一番強いのは、プロジェクト内で「selectの作法」をテンプレ化することです。 labelの付け方、未選択の置き方、optgroupの使い方。 これが揃うと、フォーム全体の品質が上がり、レビューも速くなります。 カンプに無いから、やらない。 ではなく、カンプに無いからこそ、やる。 その一手間が、信頼を稼ぎます。 そして信頼は、次の案件で効いてきます。
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