Viteとは何か 2026年の現場で困らない超実務ガイド出来ること 出来ないこと 環境構築まで一気に理解する

開発環境

フロントエンドの開発環境は、気付くとすぐ重くなります。

最初はHTMLとCSSだけだったのに、気付けばTypeScript、Sass、ESLint、Prettier、テスト、画像最適化、ビルド、HMR、SSRまで欲張りセット。 そして最後に残るのが、毎回の起動が遅い、更新が反映されない、設定が迷子、という三重苦。

そこで登場するのがViteです。 Viteは一言でいうと、フロントエンド開発のためのビルドツール兼開発サーバー。 そして実務的には、開発体験を速くして、ビルドを安定させて、設定の複雑さを必要以上に増やさないための現代的な選択肢です。

この記事は、忙しい社会人が流し読みしても要点が拾えるように、結論から先に書きます。 そのうえで、勉強中の人がつまずきがちな部分も、実務で差が出る部分も、まとめて面倒を見ます。

  1. まず結論 Viteは何がうれしいのか
    1. 開発が速い 理由はシンプル
    2. 本番ビルドは堅い
    3. 学習コストは低め ただし油断は禁物
  2. Viteとは何か ざっくり理解してから細部へ
    1. Viteの正体 開発サーバーとビルドの二刀流
    2. よくある誤解 Viteはフレームワークではない
  3. Viteで出来ること
    1. 開発サーバー HMR 高速更新
    2. TypeScript JSX Vue Svelteなどのテンプレート生成
    3. 本番ビルドの最適化
    4. CSS周りが扱いやすい
    5. プラグインで拡張出来る
  4. Viteで出来ないこと ここを勘違いするとハマる
    1. バックエンドの代わりにはならない
    2. 型チェックやLintは勝手に全部やってはくれない
    3. レガシーブラウザ対応は追加設計が必要
    4. 既存の巨大なwebpack設定をそのまま移植は出来ない
  5. 環境構築方法 ここだけ押さえれば最短で動く
    1. 前提 Node.jsが必要
    2. プロジェクト作成 基本コマンド
    3. インストールと起動
    4. 本番ビルドとプレビュー
  6. 実務でよく使う基本構成 ディレクトリと考え方
    1. よく出てくるディレクトリ
    2. 絶対パス風のimportを使いたい場合
  7. 出来ることを増やす Viteの設定で触る場所
    1. vite.config.js ここが司令塔
    2. APIサーバーを別で立てるときはproxyが便利
  8. 環境変数の扱い 実務で事故りやすいので丁寧に
    1. import.meta.env を使う
    2. モードごとに切り替える
  9. Viteを選ぶべきケース 選ばない方が良いケース
    1. Viteが向く
    2. 慎重になった方が良い
  10. よくあるトラブルと解決の方向性
    1. 依存関係のエラーが出る
    2. パスが本番だけおかしい
    3. 画像やフォントが見つからない
  11. 最後に 読者に有益な関連情報 Viteと一緒に揃えると強い道具
    1. テストならVitestを検討
    2. 型チェックとLintはCIで必ず回す
    3. パフォーマンスの基本はビルドより先にコード
  12. まとめ Viteは速さだけではなく 現場を前に進める道具

まず結論 Viteは何がうれしいのか

開発が速い 理由はシンプル

Viteの気持ち良さは、開発時にあります。 従来のバンドラー中心の開発では、起動時に全部まとめてビルドしがちでした。 Viteは開発中の動きを合理化して、必要な分だけを素早く扱う設計になっています。

結果として、起動が速い、更新が速い、HMRが速い。 この三つが揃うと、作業中のストレスが目に見えて減ります。

本番ビルドは堅い

開発が速いだけだと、現場では採用されません。 本番ビルドが安定していて、配布物が読みやすく、トラブル時に追えることが大事です。 Viteは本番向けのビルドも強く、設定やプラグインのエコシステムも成熟しています。

学習コストは低め ただし油断は禁物

初期導入は簡単です。 ただし、現場の要件は必ず増えます。 環境変数、モノレポ、別ドメインAPI、プロキシ、SSR、静的サイト、画像最適化、PWAなど。 そこまで含めて「困らない地図」を用意するのが、この記事の目的です。

Viteとは何か ざっくり理解してから細部へ

Viteの正体 開発サーバーとビルドの二刀流

Viteは、開発時は開発サーバーとして動き、本番時はビルドツールとして動きます。 この二つを別物として理解すると、迷子になりにくいです。

  • 開発時: dev serverで高速に表示し、更新を即反映する
  • 本番時: buildで最適化した成果物を出力する

よくある誤解 Viteはフレームワークではない

ViteはReactでもVueでもありません。 フレームワークの上に乗る道具です。

なので、Viteを入れた瞬間にアプリが完成するわけではありません。 逆に言うと、Vanilla、React、Vue、Svelteなど、構成に合わせて柔軟に使えます。

Viteで出来ること

開発サーバー HMR 高速更新

Viteの代表的な強みはHMRです。 変更したファイルだけを差し替えて、画面を極力崩さずに更新します。

地味に効くのが、フォーム入力中でも状態が保たれやすい点。 実務では、細かい調整を延々やるので、更新の速さはそのまま生産性になります。

TypeScript JSX Vue Svelteなどのテンプレート生成

Viteはプロジェクトのひな形作成が簡単です。 コマンド一つで、ReactやVueなどのテンプレートを選べます。

勉強中の人にとっては、最初の環境構築で止まらないのが大きい。 実務の人にとっては、試作や検証を素早く回せるのがうれしい。

本番ビルドの最適化

本番向けビルドでは、モジュールをまとめ、最適化し、成果物を出力します。

  • JSやCSSのバンドルと最適化
  • コード分割
  • アセットの取り扱い
  • キャッシュ運用しやすいファイル名付与

このあたりは「後で自作すると泥沼」になりやすいので、Viteに任せた方が早いです。

CSS周りが扱いやすい

実務で触る時間が長いのはCSSです。 ViteはCSSの取り回しが現代的で、素直に動きます。

  • CSS Modules
  • PostCSS
  • Sassなどのプリプロセッサ

設定を盛りすぎなくても、必要なものが揃います。

プラグインで拡張出来る

Viteはプラグインのエコシステムが強いです。 PWA、SVGの扱い、画像最適化、テスト連携など、要件に応じて積み上げられます。

Viteで出来ないこと ここを勘違いするとハマる

バックエンドの代わりにはならない

Viteは開発サーバーを持っていますが、これは本番のアプリサーバーではありません。 ローカル開発のためのサーバーです。

本番では、ビルド済みの静的ファイルを配信するか、SSRの仕組みを別途構築します。

型チェックやLintは勝手に全部やってはくれない

ViteはTypeScriptを扱えますが、プロジェクトの方針によっては型チェックやLintの設定は別途必要です。

実務では、次の道具を組み合わせるのが一般的です。

  • TypeScriptの型チェック
  • ESLint
  • Prettier
  • テスト(後述)

Viteは万能な管理者ではなく、あくまで開発とビルドの中心にいる道具です。

レガシーブラウザ対応は追加設計が必要

対象ブラウザが古い場合、追加の設定やプラグインが必要になることがあります。 現代的なターゲットなら問題になりにくいですが、要件として古いブラウザが残っている現場は注意です。

既存の巨大なwebpack設定をそのまま移植は出来ない

移行は出来ますが、そのままコピペで移すのは無理があります。 思想が違う部分があるからです。

移行時は、まず必要最低限で動かし、差分を一つずつ埋めていくのが現実的です。

環境構築方法 ここだけ押さえれば最短で動く

前提 Node.jsが必要

ViteはNode.js環境で動きます。 Nodeのバージョン要件はViteのメジャーにより変わることがあるので、チーム内で揃えるのが大事です。

現場では、VoltaやnvmなどでNodeバージョンを固定する運用が多いです。 個人開発でも、後で泣かないために固定をおすすめします。

プロジェクト作成 基本コマンド

npm create vite@latest

コマンドを叩くと、プロジェクト名やフレームワーク(Vanilla、React、Vueなど)を選ぶ流れになります。

インストールと起動

cd your-project
npm install
npm run dev

これで開発サーバーが起動します。 URLにアクセスすると、テンプレートが表示されます。

本番ビルドとプレビュー

npm run build
npm run preview

buildで成果物を作り、previewで本番に近い形をローカルで確認します。

注意点として、previewは本番サーバー用途ではありません。 あくまでローカル確認用です。

実務でよく使う基本構成 ディレクトリと考え方

よく出てくるディレクトリ

  • src: アプリのコード
  • public: そのまま配信したい静的ファイル
  • dist: buildの出力先

publicに置いたファイルは、ビルド時にそのままコピーされるイメージです。 一方でsrc配下の画像などは、import経由で扱うと最適化やパス解決が楽になります。

絶対パス風のimportを使いたい場合

実務では相対パスが深くなりがちです。 Vite側のalias設定で、importを整理できます。

例として、@をsrcに向けるパターンです。

// vite.config.js のイメージ
import { defineConfig } from 'vite'
import path from 'path'

export default defineConfig({
  resolve: {
    alias: {
      '@': path.resolve(__dirname, 'src'),
    },
  },
})

ReactやVueのテンプレートでも似た考え方で整理出来ます。

出来ることを増やす Viteの設定で触る場所

vite.config.js ここが司令塔

Viteの設定は、基本的にvite.config.js(またはts)に集まります。

  • base(サブディレクトリ配信など)
  • plugins
  • resolve alias
  • server(プロキシなど)
  • build(ターゲットや出力)

APIサーバーを別で立てるときはproxyが便利

ローカル開発で一番多い構成が、フロントはVite、APIは別サーバーです。 その時にCORSで詰まりがちですが、Viteのproxyで解決できます。

// vite.config.js のイメージ
export default defineConfig({
  server: {
    proxy: {
      '/api': {
        target: 'http://localhost:3000',
        changeOrigin: true,
      },
    },
  },
})

これでフロント側は /api を叩くだけで済み、開発体験がスッキリします。

環境変数の扱い 実務で事故りやすいので丁寧に

import.meta.env を使う

Viteでは環境変数を import.meta.env から参照します。

ここでの基本ルールは、公開して良い値だけをフロントに渡すこと。 APIキーを入れてよいわけではありません。 フロントに埋め込まれた時点で、基本的に見られます。

モードごとに切り替える

開発、ステージング、本番で値を切り替えるのは実務の常識です。 Viteはモードという仕組みで切り替えられます。

運用設計としては、

  • 開発時は安全に動く
  • 本番は意図せずデバッグ設定が残らない

この二つが守れれば勝ちです。

Viteを選ぶべきケース 選ばない方が良いケース

Viteが向く

  • 新規でSPAやフロント中心の開発を始める
  • ReactやVueなどの開発を快適にしたい
  • 試作を早く回したい
  • 既存環境が重くて改善したい

慎重になった方が良い

  • 古いブラウザ要件が強い
  • 既存のビルドが巨大で、移行コストが高い
  • バックエンド統合が強く、フロント単体のビルドでは足りない

とはいえ、慎重ケースでも使えないわけではありません。 要件を洗い出して、段階移行する計画があるなら、選択肢として十分ありです。

よくあるトラブルと解決の方向性

依存関係のエラーが出る

Nodeバージョン不一致、lockファイルのズレ、パッケージマネージャー混在が原因になりがちです。 チームでは、Nodeとパッケージマネージャーを固定し、CIでも同じ条件で動かすのが安定します。

パスが本番だけおかしい

base設定、静的配信のパス、ルーティング設定が原因になりがちです。 特にサブディレクトリ配信(例: /app/ 配下)では base が重要になります。

画像やフォントが見つからない

publicに置くべきか、srcでimportすべきかが混ざると起きます。 ルールを決めましょう。

  • ビルドに任せたいものはsrcでimport
  • そのまま配信したいものはpublic

最後に 読者に有益な関連情報 Viteと一緒に揃えると強い道具

テストならVitestを検討

Viteの流れでユニットテストを整えたいなら、Vitestは相性が良いです。 テスト導入は後回しにされがちですが、実務では不具合調査の時間を削ってくれます。

型チェックとLintはCIで必ず回す

ローカルだけで回していると、誰かの環境で通って、別の人で落ちます。 CIで型チェックとLintを固定して回すと、レビューが速くなります。

パフォーマンスの基本はビルドより先にコード

ビルドツールを強くしても、巨大な依存を入れすぎると遅くなります。 本当に必要なライブラリだけを選ぶ。 画像や動画を軽くする。 レンダリングコストを意識する。 結局ここが効きます。 Viteはその努力を邪魔しない、という意味で良い相棒です。

まとめ Viteは速さだけではなく 現場を前に進める道具

Viteは、ただ速いだけの流行りツールではありません。

開発の回転を上げ、本番ビルドを安定させ、必要な分だけ設定を積む。 この現実的な落としどころが、実務で強い理由です。

まずは npm create vite@latest で一度触って、devとbuildとpreviewの流れを体に入れる。 次に、proxyと環境変数とaliasを押さえる。 この順で進めると、Viteは味方になります。

そして最後に一言。

ビルドツールは宗教ではなく道具です。 あなたの案件が速く進んで、トラブルが減って、夜に眠れるなら、それが正解です。 Viteはその確率を上げてくれます。

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