WordPressマルチサイト機能を活用すると、ひとつのWordPressインストールで複数のサイトをまとめて管理できます。本記事では、コーポレートサイトと採用サイトの2つをマルチサイトで運用する方法を、「マルチサイトとは何か」「導入メリット」から「具体的な手順」まで、初心者にもわかりやすくステップバイステップで解説します。
1. マルチサイトとは?
- 定義 WordPressのマルチサイト(Network)は、単一のWordPressインストール内で “複数のサイト(ブログやWebサイト)” を作成・管理できる機能です。
- 利用イメージ
- example.com → 本社コーポレートサイト
- recruit.example.com → 採用サイト
- 主なメリット
- 一元管理 テーマ・プラグインをネットワーク管理画面からまとめて更新・設定でき、個別にログインする手間を削減。
- ユーザー管理の統合 ネットワーク全体でユーザー権限を統合管理。複数サイトへの一括アクセス権付与が可能。
- リソース節約 データベースやファイルはひとつのインストールで共通化されるため、サーバーリソースを効率的に利用。
- スケーラビリティ 必要に応じて新規サイトをネットワークに追加可能。サイト数が増えても運用コストを抑制。
2. 準備するもの
- PHP + MySQL(MariaDB)対応サーバー
- 単一サイトとしてインストール済みのWordPress
- FTP/SSHアクセス権限
- wp-config.php と .htaccess の編集権限
▶ バックアップ
- データベースをエクスポート(phpMyAdmin、WP-CLIなど)
- /wp-content/、wp-config.php、.htaccess を丸ごとDL
3. マルチサイト機能の有効化
3.1
wp-config.php
へ定義を追加
/*** マルチサイト有効化 ***/
define('WP_ALLOW_MULTISITE', true);
/* ここまでは追記後、管理画面の「ツール > ネットワーク設定」に進みます */
4. ネットワークの構築
- 管理画面にログイン
- ツール > ネットワーク設定 をクリック
- サブドメイン型 or サブディレクトリ型 を選択
- サブドメイン型例:corporate.example.com、recruit.example.com
- サブディレクトリ型例:example.com/corporate、example.com/recruit
- ネットワークタイトルと管理者メールを確認し インストール
5. 設定ファイルの更新
5.1
wp-config.php
の追加設定
define('MULTISITE', true);
define('SUBDOMAIN_INSTALL', true); // サブディレクトリ型なら false
define('DOMAIN_CURRENT_SITE', 'example.com');
define('PATH_CURRENT_SITE', '/');
define('SITE_ID_CURRENT_SITE', 1);
define('BLOG_ID_CURRENT_SITE', 1);
5.2
.htaccess
の上書き
RewriteEngine On
# BEGIN WordPress
RewriteBase /
RewriteRule ^index\.php$ - [L]
# add a trailing slash to /wp-admin
RewriteRule ^wp-admin$ wp-admin/ [R=301,L]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -f [OR]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -d
RewriteRule ^ - [L]
RewriteRule ^(wp-(content|admin|includes).*) $1 [L]
RewriteRule ^(.*\.php)$ $1 [L]
RewriteRule . index.php [L]
# END WordPress
6. サイトの追加方法
- 管理画面右上の 「My Sites」 > 「Network Admin」 > 「Sites」
- 「Add New」 をクリック
- Site Address に corporate、Site Title に「コーポレートサイト」、管理者メールを入力し Add Site
- 同様に recruit(採用サイト)を追加
7. テーマ・プラグインの共有
- テーマ ネットワーク管理 > テーマ で「ネットワークで有効化」することで全サイトに適用可能。
- プラグイン ネットワーク管理 > プラグイン で「ネットワーク有効化」 or 各サイト個別に有効化を選択。
8. ドメインマッピング(サブドメイン型向けオプション)
サブドメイン以外の独自ドメインを使う場合は、下記プラグインなどでマッピング設定:
9. SSL設定と動作確認
- 各サブサイトのドメインにSSL証明書をインストール
- ネットワーク管理画面で各サイトのURL設定を https:// に更新
- 実際に https://corporate.example.com/、https://recruit.example.com/ へアクセスし、正しく表示されることを確認
10. まとめとポイント
- マルチサイト活用で管理効率アップ:複数のWebサイトを一元管理
- ユーザー管理の一元化:全サイトへ同一ユーザー権限を簡単付与
- リソース最適化:ひとつのWordPressで運用コスト削減
- スケールの柔軟性:必要に応じて即座に新サイトを追加
この手順を踏めば、「コーポレートサイト」と「採用サイト」をまとめて運用できるWordPressマルチサイト環境が構築できます。ぜひ実際に手を動かしながら、マルチサイトの利便性をご体感ください!
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