Webサイトの第一印象を左右するのがフォント選び。特に日本語サイトでは、ブラウザやOSによってフォントの対応状況が異なるため、複数のフォールバックを組み合わせることが重要です。この記事では、body { font-family: "游ゴシック体", YuGothic, "游ゴシック Medium", "Yu Gothic Medium", "游ゴシック", "Yu Gothic", sans-serif; }
の例を踏まえつつ、2025年における最新のフォントファミリー設定と実践的テクニックを解説します。
目次
なぜ複数フォントを指定するのか?
ユーザーの環境は多様化し、Windows/macOS/モバイルOSごとに標準搭載フォントが異なります。指定したフォントがインストールされていないときに、代替フォントが自動で選ばれますが、適切な順序でフォールバックを用意しないと、意図しないデザイン崩れや読みづらさを招きます。
主な理由
- 視認性の一貫性
主要フォント間で字形・字幅が大きく変わるとレイアウト崩れが発生。 - ブランドイメージの維持
特定のWebフォントを優先表示させつつ、未対応環境では類似のシステムフォントに切り替え。 - パフォーマンス最適化
Webフォントを読み込む前にシステムフォントで文字を描画し、FOUT(Flash Of Unstyled Text)を軽減。
フォールバック順序の基本ルール
以下のポイントを守ると、適切なフォント切り替えが可能になります。
- ブレークポイントごとにフォントを変えない
(レスポンシブ時も同じ順序で) - 日本語と欧文は分けて指定する
例:font-family: "Noto Sans JP", sans-serif;
- 最終的には汎用ファミリーである
serif
またはsans-serif
で締める
推奨フォントファミリー設定例
下記は2025年時点で汎用性と可読性のバランスが良い組み合わせ例です。
body {
/* 1. ユーザー環境で期待通りの游ゴシック系 */
font-family:
"游ゴシック体", /* Windows 10+ 標準 */
YuGothic, /* macOS 標準 */
"游ゴシック Medium", "Yu Gothic Medium", /* 太め字重み対応 */
"游ゴシック", "Yu Gothic", /* 古いバージョンOS向け */
"Noto Sans JP", /* Webフォント fallback */
sans-serif; /* 最終フォールバック */
}
ポイント解説
"游ゴシック体"
~"Yu Gothic"
:主要デスクトップ環境をカバー"Noto Sans JP"
:Google Fonts経由で読み込める日本語Webフォントsans-serif
:万一フォールバック先が存在しない場合に備えた汎用指定
可変フォント(Variable Font)を活用する
2025年現在、可変フォント対応ブラウザはほぼ普及しています。1つのファイルで複数のウェイトを持ち、CSSで細かく重みや幅を制御可能です。
@font-face {
font-family: "VariableNotoJP";
src: url("/fonts/NotoSansJP-Variable.ttf") format("truetype-variations");
/* 軸の指定例 */
font-variation-settings: "wght" 400, "wdth" 100;
}
body {
font-family: "VariableNotoJP", "YuGothic", sans-serif;
}
可変フォントのメリット
- ファイル数削減:複数ウェイトを1ファイルで提供
- ランタイム調整:
font-variation-settings
で動的に調整可能 - Webパフォーマンス向上:HTTPリクエスト数を減らし、キャッシュ効率アップ
パフォーマンスとレンダリング最適化
フォント読み込みが遅いと、テキストの初期表示が遅れたり、レイアウトがジャンプしたりします。以下の技術で最適化しましょう。
1. font-display
の設定
@font-face {
font-family: "Noto Sans JP";
src: url("/fonts/NotoSansJP-Regular.woff2") format("woff2");
font-display: swap; /* システムフォントで先に描画し、後からWebフォントを適用 */
}
2. プレロードで優先読み込み
<link rel="preload" href="/fonts/NotoSansJP-Regular.woff2" as="font" type="font/woff2" crossorigin>
3. CSSの軽量化
フォント指定はまとめて定義し、冗長な重複を避ける
使用しないウェイトやスタイルは事前に除外
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